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クラウドサービスってどう使うの?その2 inswatch掲載分

 リモートワーク対応が増える中、メールの運用についての相談をいただく事が増えました。
 個人単位で割り当てられているメールアドレスであればPCの持ち出しルールの制定、セキュリティ対策ソフトの適用徹底等でリモートワーク対応できますが、会社全体やチーム、部署単位でメールを送受信したいケースでは対応が複雑になってきます。

 組織用のメールアドレス(メールボックス)を用意し、そのメールを受け取りたい人のメールソフトに各々受信する設定をする方法がよく見られますが、以下の理由により組織として運用するには向かないと考えております。

・pop3の場合受信の競合が起こる…一般的に利用されているpop3というメール受信の仕組みでは1つのメールソフトが受信操作をしている時に別のメールソフトが同じメールに対して受信操作をするとエラーとなり受信できませ
ん。またほとんどのメールソフトは一定間隔でメール受信してますので同じ間隔でメール受信していた場合はずっとエラーが続きます。

・設定ミスによるメールの紛失…メールボックスに受信したメールを残しておく設定が必要になるのですが、その設定を間違えた場合特定のメールソフト以外はメールが受信できなかったり、メールソフト毎に受信できているメールが違ったりしてしまいす。

・送信履歴が管理できない…各々のメールソフトにメールの送信履歴は残るのですが、他のメールソフトから送ったメールの履歴は見る事ができません。組織のメールアドレスをBccに加えて管理する方法もありますが入れ忘れたり等ヒューマンエラー由来で管理が崩れます。

・メール保存データの肥大化…各々のパソコンに同じ内容のメールがどっさり残った状態になり、ディスク容量の無駄な消費や、重要情報に必要以上の人が触れてしまう可能性が高まりセキュリティ管理上リスクとなり得ます。

 これらを解決するにはやはりクラウドの力を借りるのが最も適していると思います。

 サイボウズのメールワイズ、ラクスのメールディーラー等のメール共有システムがよく使われております。

 これらのサービスでは受信したメールを複数の担当者で読み、返信した際にはその内容が共有される仕組みが提供されています。

またOffice 365のExchange OnlineやGoogle G Suiteといったパブリッククラウドのサービスにも共同トレイ、共有トレイといった仕組みが用意されており、ほとんどの場合は追加費用不要でお使いになれますのでこれらのサービスを利用中の方はすぐにお試しできます。

 

 どちらの仕組みもメールはクラウド上に置かれパソコン等にはデータが残らないのでディスク容量の消費が抑えられ情報漏洩リスクも下がります。
 自社のメール運用に不安がありましたら是非ご相談ください。

 


保険業界向けメールマガジン【inswatch】Vol.1043 (2020/07/27)

https://www.inswatch.co.jp/