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クラウドサービスってどう使うの?その23 インターネットに繋がってないとダメなんです inswatch掲載分

 先日データの保管のご相談である町内会にお話を伺いに行ってきました。そこで久々に「インターネットに繋がなければ安全説」を目の当たりにしました。最近はクラウドについて一からご説明する機会が無かったので新鮮な気持ちでご説明したところ、当初はインターネットに繋がずパソコンを使う方針でしたがクラウドでのデータ保管についてご理解され前向きにご検討頂くことになりました。

 お話の中で、インターネットに繋がないパソコン内のデータの印刷はどうされるのか伺ったら事務所内の複合機を使う、とのことでした。

 しかしこの使い方には重大なセキュリティ懸念があります。

 複合機とパソコンを繋げるには一般的にはLAN(Local Area Network)が使われます。昨今ではオフィス内だけでなくご家庭でもごく普通にLANが利用されています。そしてそのLANからルータという機器を通じてインターネットを利用する仕組みが一般的です。インターネットに繋がないと決めたパソコンをLANに接続した場合でも、そのLANがインターネットに繋がるLANであれば勝手にインターネットに繋がってしまいます。

 よく誤解されているのですが、パソコンからインターネットのWebサイトを見ない、ということだけではインターネットに繋がっていないということにはなりません。本当にインターネットに繋がないのであれば、パソコンはLANには接続せず仕組み上インターネットに繋がらないUSBケーブル等で複合機やプリンタと接続する必要があります。

 LANと言うと大袈裟な仕組みに感じられる方もいらっしゃるかも知れませんが、使う機器がパソコン1台だったとしても、ルータを利用していたらそれはLANです。利用者の意思に関わらずインターネットに繋がってしまっているので、無意識な分情報漏洩に気が付きにくくなってしまい事故となる可能性が高くなります。

 また先程のお客様でデータのバックアップはどうされるのか、と伺ったら以前使っていたパソコンを持ち出して、そのパソコンに時折データをコピーしておく、とのお話もありました。

 この方法でもデータの保全性はある程度あるのですが、まず手動で作業はうっかり忘れてしまうこともあります。またデータのコピーにUSBメモリ等の媒体を利用した場合、うっかりその媒体を無くしたりしてしまった場合、どこにデータが流出したか追跡できず事故になります。何より古いパソコンのハードディスクの故障リスクは非常に高いので最悪の場合データを丸々失うこともあります。これらの問題点はクラウドへの保存で全て解決されます。

 パソコンを使う上で新しい知識や仕組みへの理解が新たな脅威、リスクへの最善の対策になります。現状よりももっと便利で簡単な方法が生まれてるかも知れないのでインターネットで検索してみると良いかも知れません。

 

 

保険業界向けメールマガジン【inswatch】Vol.1134 (2022/04/25)
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