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クラウドサービスってどう使うの?その29  パソコンを買い替えた時には inswatch掲載分

 高いお金を払って買ったパソコン。一回買ったら永く永く使い続けたいと思われるかも知れません。しかし機械なのでいつかは買い替えが必要になります。

 古いパソコンから新しいパソコンにデータを移す作業、クラウドが普及する前は大変でした。今もクラウドを利用されていないお客様のデータ移行作業には一昔前と同じ様にとても時間がかかりますが、クラウドの導入が進んでいる場合はお客様自身が必要なサービスにログインし直すだけで移行が完結してしまう場合も少なくありません。
 この場合は最早データ移行という作業すら無くなっています。昨今ギガスクール制作によって教育機関向けに大量にパソコンやタブレットが導入されたのですが、その中でもGoogleのChromebookという製品ではクラウドサービス利用が前提として設計されており機器の中にデータを保存することがほぼできなくなっております。そのため新しい機器への交換の際もデータ移行作業をすることなく、それまでの利用環境に復することが簡単にできてしまいます。

 買い替えた際に残る古いパソコンですが、処分の方法や、その際に気をつけたいところがいくつかあります。

 ずっと使っていたパソコンには、それまで使っていた多くのデータが残っています。そのままの状態で手放してしまうとそのデータを盗まれ悪用される可能性があります。そんなに大事なデータは入っていない、と仰られる方もたまにいらっしゃるのですが、残っていたデータを故意に流出させて脅迫されてしまうケースも過去にありましたのでデータの管理は大切です。古いパソコンのデータは処分の前に自ら消去しておくのが良いと思います。

 ただ最近は消去したハードディスクからデータを復元されてしまう事件も発生しています。復元できない様にするにはハードディスク内のすべてのデータを別のデータに書き直す等の方法があり、その処理を行うアプリが販売されています。またハードディスクの記録部分を物理的に破壊すると読み出しできなくなり復元を阻止できます。とはいえハンマー等を使っても読み出し不能まで破壊するのは大変です。破壊するための専用の機械が販売されています。こちらはレンタルで利用することもできます。

 データが復元不可能な状態になったら処分可能です。PCリサイクルマークが貼られている製品であれば家電店等で引き取ってもらえます。それ以外の場合でも引き取り業者に回収してもらう事は可能です。引き取り回収業者がデータ消去作業を請け負っているケースもあるのですが、それらの業者からと思われる情報漏洩事件も過去にありましたので、可能であればご自身のできる限りの範囲でデータ消去しておくことをお勧めします。


保険業界向けメールマガジン【inswatch】Vol.1158 (2022/10/31)
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